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オスグッド病とは?

Osgood-Schlatter disease

「膝の成長痛」として、結構有名です。思春期の男児に多く、12〜16才、特に13才前後に多いと言われています。バレーボール、バスケットボールなどのジャンプをするスポーツ選手に多いようです。

1903年にアメリカ人のOsgoodとドイツ人のSchlatterが別々に発表した病気です。


病気には人の名前がついたものが多いですが、さらに、複数の名前がついている場合は、このように同時期に別々に発表された場合のことが多いです。


Osgoodはアメリカ人ですから、日本では「オスグッド病」と呼ばれることが多いです。
ちなみに、Schlatterはドイツ人ですから、「シュラッテル」と呼ぶ人がいます。英語読みに「シュラッター」と発音する人もいます。

osgood.jpg

オスグッド病の症状は、自然に良くなる脛骨粗面(けいこつそめん)の痛みです。膝のお皿の骨(膝蓋骨:しつがいこつ)から、すねの骨に向かう部分に太い腱(膝蓋腱:しつがいけん)がありますが、この膝蓋腱がすねの骨(脛骨:けいこつ)にくっついている、少し膨らんだ骨の部分が脛骨粗面です。

脛骨粗面の腫れ、脛骨粗面や膝蓋腱遠位部の痛みがあります。脛骨粗面の近くにいわゆる成長線(せいちょうせん、骨端線:こったんせんともいいます)があるため、強度的に弱く、膝をのばす筋力に負けるため、脛骨粗面の剥離骨折(はくりこっせつ)を起こしているとの意見もありますが、剥離骨折ではなく、膝蓋腱の炎症であるとする報告もあります。

思春期の間、数ヶ月から数年にわたって症状が続くことがありますが、成長が終了すると自然に痛みはなくなります。

オスグッド病の診断は、年齢、症状、単純レントゲン検査で診断は容易です。脛骨粗面の腫大を悪性腫瘍ではないかと心配する場合がありますが、いわゆる腫瘍ではありません。レントゲンで診断可能です。

オスグッド病の治療では、運動量の制限や安静、大腿四頭筋(太腿の前面の筋肉。膝をのばす働きがある)のストレッチや、鎮痛剤の処方などが行われます。スポーツの中止までは必要ないようです。以前は、手術をすることもありましたが、現在ではあまり行われない傾向にあります。


参考文献
神中整形外科学下巻, 改訂22版, 南山堂, 2004:926-927.
Tachdjian's Pediatric Orthopedics. Vol. 2, Third ed. Philadelphia, etc: WB Saunders Company, 2002:812-814.
小児整形外科テキスト, メジカルビュー社, 2004:172-173.


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