こどもの腰痛について
back pain
こどもは腰痛などない、と思われていますが、そうでもありません。
15才までにこどもの約半数は腰痛を経験したことがある、との報告があります。まあ、れほど極端でないにしろ、意外に多いのも事実です。
年齢が低いほど、何らかの病気、それも重症な病気によることが多く、きちんと調べる必要があります。年長児では、比較的おとなと同じような腰痛(あまり重症でない)こともあります。
とにかく、
「こどものくせに、腰が痛いなんて。」とか、「運動不足なんだよ。」とか、軽く考えないほうがが良いようです。
急に起こった腰痛は、外傷などに伴ったものは原因がはっきりしていますが、
熱がある。
悪寒があり、がたがた震える。
食欲が無く、体重が減る。
などの症状があるときは、白血病などのガンや、全身感染症などの場合があり、要注意です。10才以下、特に4才未満のこどもに多いようです。
また、
手足の感覚マヒ、運動マヒ。
歩くとき転びやすく、ふらふらする。
排尿が止められなかったり、出せなかったりする
などのマヒ症状があるときも、背骨の異常が強いことを疑わせ要注意です。
マヒ症状はいったん完成すると、その後いくらがんばって治療しても治らないことが多く、早めの治療が必要です。
年長児で慢性または繰り返す腰痛の場合、腰椎分離症(ようついぶんりしょう)、脊椎側弯症(せきついそくわんしょう)などのことが多いのですが、
長く続く痛み。
夜の痛み。
の場合は、背骨周囲の腫瘍(かならずしも、ガンではありません。)やバイ菌の感染のことがあります。痛みが続いている期間が長いほど、重症な病気のことが多いようです。
【参考文献】
Tachdjian's Pediatric Orthopedics. Vol. 1, Third ed. Philadelphia,etc: WB Saunders Company, 2002:95-107.
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