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内旋歩行とは 

In-toeing

専門用語では内側にねじれている場合、「内旋(ないせん)」と表現します。

内旋歩行(ないせんほこう)はつま先を内側に向けて歩く状態です。女の子に多くみられます。歩き始めて間もない子どもで、ご両親が心配して病院に相談にみえることが多いです。

いわゆる、ウチマタ歩き、うちわ歩きと言うこともあります。


内旋歩行の原因として大きく3つです。

1 大腿骨(だいたいこつ:「太腿」じゃないですよ)が内旋している場合

2 脛骨(けいこつ:すねの骨です)が内旋している場合

3 足部(そくぶ:足首から先)が内向きの場合

1 大腿骨の内旋

両膝が内向きになって、膝と足先の方向は同じです。

大腿骨は上の方が大きくねじれているのですが、成長するにしたがって徐々に捻れがとれていきます。歩き始めに内旋歩行が見られる場合も、ほとんどが自然にまっすぐになります。

10才すぎても内旋がひどい場合は治療することもあるようですが、非常にまれです。

2 脛骨の内旋

ときおり、内旋歩行の子どもに見られます。大腿骨内旋と違うところは、膝の向きはまっすぐ前を向いているのですが、膝から下が内側にねじれています。歩き始めに見られることがありますが、ほとんどが自然に治ります。

ただし、内旋しながらO脚である場合に、徐々にひどくなる場合があります。Blount 病(ブロントびょう)という病気のことがありますので、ひどくなるときは要注意です。実際はあまりこの病気は多くないです。

3 足部の内向き

大腿骨、脛骨はねじれていない場合、足の真ん中あたりで内向きに曲がっているもの(内転足:ないてんそく)と先天性内反足(せんてんせいないはんそく)などの場合があります。

内転足はほとんどが自然に治ります。簡単なギプス治療を2、3週間行うこともあります。

先天性内反足は比較的重い病気で、長期の治療期間が必要ですが、ほとんどの場合、生まれてすぐに変形に気がつきます。歩き始めて初めて診断されることはほとんど無いでしょう。

その他、マヒ性の病気のため、内旋歩行になる場合がありますが、内旋歩行で初めて症状が現れることよりは、歩き始めるよりずっと以前からマヒの疑いがもたれることが多いようです。

基本的には、内旋歩行は股関節、膝関節、足部のそれぞれが大きな異常がなければ、自然に治ることがほとんどです。だんだんと悪くなる場合は、きちんと診断をつける必要があります。


参考文献
Current Diagnosis & Treatment in Orthopedics. 2nd ed. New
York, etc: McGrow-Hill, 2000:552-553.

Nelson Essentials of Pediatrics. 3rd ed. Philadelphia, etc:
WB Saunders Company, 1998:757-758.




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