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肘が抜けた?肘内障(ちゅうないしょう)とは?

Nursemaid's elbow, Pulled elbow, Traumatic subluxation of
the Radial head

Nursemaidというのは、子守りする人のこと。肘内障は肘をのばした状態で手を引っ張ると生じる肘の障害です。もっともありふれた、肘の障害といえるでしょう。

そのほとんどが4才未満のこども(特に1才から3才)にみられます。この年齢帯で最も多い障害といってもよいくらいです。5才以上だとほとんどおこらないと言われています。


肘の関節が未熟なため、橈骨という骨の肘の部分(橈骨頭)の周りにある輪っか状の靭帯(輪状靭帯)がずれて肘関節に挟まった状態がおこります。手を引っ張ったときにひどく痛がって腕を動かそうとしなくなります。


「こきっ」と軽い音がすることもありますので、骨折や脱臼を心配して病院へ来る方がほとんどです。

本人は「(肘じゃなくて)手が痛ーい」と言うことも多いです。

通常、レントゲン検査は正常です。病院で本格的な診察の前にレントゲン検査を行うと、それでずれていた輪状靭帯が戻ってしまい、治ってしまうこともまれではありません。


治療としては、ずれた輪状靭帯を戻しますが(整復といいます)、肘を90度に曲げ、手のひらを上に向けるようにゆっくりねじりながら肘の外側を軽く押さえると、「ぽき」と手応えがあります。

(簡単です。お父さん、お母さんでも出来そうですが、骨折などと間違えては怖いと思うので、専門家に任せましょう)


整復できたら、すぐに何事も無かったかのように腕を動かし始めます。また、その後はギプス固定などは必要ありません。


ただ、5パーセントくらい、癖になるこどもがいますので、4才までのこどもは手をつかんで引っ張らないようにすることが重要です。

まれに、24時間以上放置されている場合があり、このときはギプス固定などを1〜2週間行うことがあるようです。(私はしたこと、ありません。)

参考文献
Tachdjian's Pediatric Orthopedics. Vol. 3, Third ed. Philadelphia, etc: WB Saunders Company, 2002:2206-2207.

Nelson Essentials of Pediatrics. 3rd ed. Philadelphia, etc:WB Saunders Company, 1998:776.

読売オンライン

たはら整形外科ホームページ
 結構充実した内容に、とても勉強になります。知り合いではありませんが。



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