リトルリーグ肩
Little League shoulder
リトルリーグ肩とは、ピッチャーに最も多くみられる少年期の肩の障害の総称です。
シーズン開始直後や練習メニューを変えたときなどに多くみられるようです。肩の痛みと、関節の動きが悪いなどの症状があります。投球動作に伴う上腕(じょうわん、肩から肘まで)のねじりによると言われています。
代表的な物として、上腕骨近位骨端線離開(じょうわんこつきんいこったんせんりかい)があります。上腕骨(肩から肘までのいわゆる二の腕の骨)の肩の部分で、成長線と言われる部分がずれたり、離れたりするもので、骨折に準じた対応が必要です。
成長線は、骨端線(こったんせん)ともいい、骨が伸びるための軟骨組織で出来ています。柔らかい軟骨組織が、固い骨組織に挟まれているため、ここでずれやすいのです。成長線の部分の損傷ですので、後々成長障害を引き起こす可能性があります。
成長障害をおこすと、腕の長さが短くなる、肩の動きが悪くなる、などがあります。
最近では、野球指導者の間でも認知されているようで、比較的早期に安静が保たれれば、経過は良いようです。
リトルリーグ肩の症状としては、まず、一球の投球で急に痛みがくることは少ないので、徐々に痛みがあるときは要注意です。早期発見が大事で、定期検診を受けることも一つの方法です。
いったん、骨端線損傷が起こってしまった場合は、完全に良くなるまでは投球動作は禁止です。
1年近くかかることもあるようです。
リトルリーグ肩の予防としては、投球機会の多い選手に発生頻度が高いことが言われているため、
1. 1日50球以内、週300球を超えないこと
2. チーム内で投手は少なくとも2名以上養成すること
3. 連投させないこと
4. ボールを全く握らせない、シーズンオフを作ること
が言われています。
小、中学生でのスポーツは、心身の健康のためであるべきで、健康を害したりしないようにしたいものです。
参考文献
Tachdjian's Pediatric Orthopedics. Vol. 3, Third ed. Philadelphia,etc: WB Saunders Company, 2002:2128.
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