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先天性股関節脱臼(その2)治療について

Developmental dysplasia of the hip

 この30年で大きく変わったのは、予防だけではありません。治療法も大きく変わりました。
 
 30年前までは、脱臼が見つけられたら、
 
  「えいっ!」と脱臼を戻し(整復:せいふく、といいます)、あとは、ギプス固定でした。
  
 この整復操作とギプス固定のために、大腿骨の頭の部分(大腿骨頭だいたいこっとう)の変形が起こることが多く、治療成績は不良でした。
 
 
 大腿骨頭の変形は、現在でも完全には治療できないので、
 
 「いかに、大腿骨頭の変形を予防するか」
 
 が、先天性股関節脱臼だけでなく、こどもの股関節の病気の治療では重要です。
 
 
 話を戻しますが、40年ほど前、チェコスロバキアの医師 Pavlik は革ひもを使った、当時非常にユニークな治療法を開発し、骨頭変形がきわめて少ないことを報告しました。
 
 リーメンビューゲル装具といいますが、聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
 
 
 日本に始めて紹介された当時は、疑問視されていたのですが、次第にその有効性が認められ、現在では世界でも標準治療となりました。
 
 
 ただ、このリーメンビューゲルも万能ではなく、それでも整復できないときは、両足をおもりで引っ張ったあとに整復する「牽引療法(けんいんりょうほう)」、手術で股関節を整復する「観血整復(かんけつせいふく)」などの方法があります。
 
 
 また、牽引療法や観血整復にも、それぞれいろいろな方法があり、現在でも、どの方法がもっとも優れているのかは、決着がついていません。
 
 
 いかに、骨頭変形を起こさずに、治療を行うか。
 
 
 先天股脱の治療の歴史は、この命題のもとにすすめられてきました。
 
 
 いずれの方法にしても、乳幼児期に、脱臼股関節の整復が成功した。
 
 
 けれども、治療は終わりではないのです。
 
 
 (つづく)



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