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大腿骨頭すべり症の治療

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大腿骨頭すべり症の治療について。


安定型、不安定型で、治療内容が変わります。

安定型は、すべりがゆっくりすすんでいるもの。あまり痛みは強くありません。

不安定型は、急激に悪くなったものです。痛みが強く、立つことが出来ないほどです。

治療の目的は、安定型ではすべりの進行防止、不安定型ではすべりの安定化による痛みの軽減です。そして、最終的には変形性股関節症の予防です。

◇ 安定型では、すべり(ずれ)の程度で手術内容が変わります。

すべりが軽度であれば、その位置でネジで固定します。これをin situ pinning、といいます。


すべりの程度が強ければ、大腿骨の股関節側で矯正手術をします。すべり症では、大腿骨頭が後方に滑っていることが多いので、これが正常な位置にくるように骨のむきを変えて固定します。

矯正骨切り、と言いますが、いろんな切り方があり、執刀医の慣れた方法がとられることが一般的です。

◇ 不安定型では、滑った大腿骨頭が元に戻せることが多いので、エックス線透視装置で骨の位置を見ながら、元に戻したりします。

この操作を、「整復操作(せいふくそうさ)」といいますが、整復操作を乱暴に行うと、大腿骨頭への血の流れが悪くなり、「大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)」になることがあるので、注意が必要です。

元に戻したところで、安定型の最初の説明のようにネジで止めます。

固定後は数種間のギプス固定を行うことが多いです。

ギプス固定の替わりに、牽引療法と行って、ベッドの上で足を重りで引っ張って股関節に負担がかからないようにする場合もあります。


治療経過で、骨頭壊死がみられることがあり、厳重な注意が必要です。骨頭壊死が起こった場合は、ペルテス病に準じて治療を行うことが多いようです。

また、反対側がすべりが無くても、予防的に手術を行うことがあります。この場合は、in situ pinningが行われるのが一般的です。

比較的少ない病気ですが、将来にわたって慎重な治療が必要な病気ですね。

大腿骨頭すべり症の概念



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