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レントゲン被曝について

★ご質問★

子供のレントゲンというのはそんなに危険ではないのでしょうか?「軽く被ばくする。」と聞いたことがあり、少し不安があります。

ぜひメルマガで教えていただければと思います。

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★お返事★

結論から言いますと、問題ないと考えられています。

実は、地上では、宇宙や大地から放射されている放射線に毎日被曝しています。
また、大気中の微量の放射性ガス(ラドンなど)や食物に含まれる微量放射性物質(カリウムなど)からも体内被曝しています。

これらの自然被曝量は世界平均で年間2.4mSv(ミリシーボルト)と言われ、日本人の平均では年間1.4mSv程度と言われています。

遺伝子を形成している、DNAは常時放射線により損傷を受けていますが、私たちの体には、DNAの修復能力が備わっており、簡単には病気になりません。

この修復能力を超える放射線量を被曝すると、死亡や臓器障害が発生します。

一回の全身被曝の場合、3Sv(3000mSv)では死亡の危険があり、1Sv(1000mSv)以上で嘔吐などの急性放射線障害が生じると言われています。

200mSv以上の場合は将来的な癌発生と関連があると言われていますが、100mSv以下では関連は確認されていません。

精巣、卵巣への影響では150mSv以上で一時不妊の可能性があり、2Sv(2000mSv)以上で永久不妊の可能性があると言われています。

また、一定期間内の被曝による障害についてははっきりとした上限は無いのですが、日本の法律では、放射線業務従事者(技師、看護師、医師など)の被曝量の上限は、妊娠可能な女子の場合、3ヶ月で5mSv、妊娠可能な女子以外では、1年間に50mSv、5年で100mSvとされています。また、1回の緊急作業時の上限は100mSvです。

実際、低線量を長期間被曝した場合の健康被害についての科学的な検証は行われていない、というのが現状です。

いわゆる、普通のレントゲン検査を単純X線検査と言いますが、胸部の場合、一回の検査で0.1〜0.3mSvの被曝量と言われています。

手足のX線検査の場合、胸部検査と同程度の被曝量と思われますが、原則として、検査する部分以外には放射線があたらないよう遮蔽し、生殖腺などには防護用の鉛入りプロテクターを使用することで、全身被曝量としてはより少ないと思います。

また、部位で異なりますが、CT検査では0.5〜7mSvの被曝量となります。

当然のことですが、必要な検査を安全な範囲で行うことが大切で、被曝量が少ないからと言って、不必要な検査を行うことは許されません。一方で、必要であれば、CT検査をためらわずに行うことも大切です。

X線検査の必要性については、主治医に確認するとよいでしょうね。



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