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こどもの骨折の特徴

こどもの骨折は大人と違った特徴があります。

ひとつは、成長力が旺盛なので、治りが早いこと。

二つ目は、大腿骨などに起こりやすいのですが、異常に長く成長してしまうこと(過成長と言います)。

三つ目は、その成長を担っている「骨端線(こったんせん)」が壊れると、成長障害や、変形が起こること。

四つ目は、柔らかいために、ポッキリとは折れずに、曲がったり、しなるように折れたり(若木骨折:わかぎこっせつ、といいます)、つぶれたように折れたりします。


最初の理由より、一般的には手術はせずに、ギプスなどで治療することが多いです。手術をすると、骨折部分の骨膜(こつまく:骨がくっつくように、必要な組織)をすこし痛めるので、しないですむ手術はしない方が良いのです。

ただし、ぐらぐらして不安定なものや、神経、血管を傷つけている可能性があるときは、積極的に手術した方がいいです。


また、二つ目の理由から、少しぐらい短くギプス固定しても、大丈夫です。むしろ、1、2センチは短くするくらいです。15度くらいの曲がり変形も自然にまっすぐになります。

ただし、捻れ変形はなかなか元通りにはならないので、ねじれは直しておく必要があります。


三つ目の理由から、関節周囲の骨折は、手術の対象になることが多いです。骨端線は関節の近くにあるのです。これも、成長にしたがって、変形が現れてくることがあり、骨折が治ってからも2年くらいは注意した方がいいと思います。


四つ目の理由から、なかなか診断が難しいのです。そこで、こどもの打撲の場合、念のためギプス固定をすることが多いです。骨折でなければ、2、3日で痛みはなくなりますので、それを確認してからギプスを外します。

「ひびが入った」ようなときは、レントゲンでもよくわからないのです。このときは、腫れ具合や、皮下出血の有無、痛みの程度、部位で骨折と判断します。

レントゲンより、診察の感じを優先します。慣れてくると、まず間違いませんが、確認のためと、折れ具合をみるために、レントゲンを撮ります。

「レントゲンでは折れてるようにはみえないけど、診た感じからすると、折れてると思うから、ギプスします。」ということは多いです。

逆に、軽く考えていて、実は骨折でした、となると大変です。場合によっては、しなくてすむはずだった、手術をしなければいけなくなったりするからです。

参考文献
Current Diagnosis & Treatment in Orthopedics. 2nd ed. New York, etc: McGrow-Hill, 2000:568-570.

Nelson Essentials of Pediatrics. 3rd ed. Philadelphia, etc:WB Saunders Company, 1998:777-779.




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