こどもの病気と整形外科 > こどもの腰痛 > 腰椎分離症、腰椎すべり症
当サイト管理人による無料レポート 好評配布中! 
我が子を『スポーツ障がい』から守る!小児整形外科医による、こどもが健康にスポーツを楽しむための原則

良いスポーツ選手の基本は「ケガをしないこと!」
スポーツによるケガを予防するために、大人がカシコク見守ってあげましょう!
請求はこちら

腰椎分離症、腰椎すべり症

Spondylolysis, Spondylolisthesis

腰椎分離症(ようついぶんりしょう)spondiyolysis とは、腰椎(ようつい:腰の部分の背骨)の後方にある関節間部(かんせつかんぶ)での疲労骨折が原因といわれています。関節間部は左右2カ所あり、両側とも分離しているうえに、背骨のずれがあると、腰椎すべり症(ようついすべりしょう)spondylolisthesis といいます。

腰椎の解剖水平

腰椎の解剖側面

腰椎の解剖

1は椎体で前方です。2は棘突起(きょくとっき)、後方です。上から見ると、後ろの部分は輪っかになっていて、15の部分に脊髄神経が通っています。腰椎分離症では、12の関節間部の疲労骨折のため、この部分が分離しています(赤線の部分)。両側に2カ所ありますが、2カ所とも分離していると、腰椎すべり症になりやすくなります。

腰椎分離症の原因として、成長期に繰り返してストレスがかかることで、疲労骨折を起こすといわれています。特に、背中を反らすような姿勢を繰り返すことで起こりやすく、体操競技、飛び込み、ダンサー、ラグビー選手などでみられることが多いようです。

また、腰を反らす姿勢をとることが多い病気、たとえば、脳性麻痺(のうせいまひ)で歩くことが出来る場合に、多いと思います。

疲労骨折ですので、起こったときに見つけることが出来た場合は、骨折治療を考えるのですが、現実には、なかなか早期発見は出来ません。多くは、起こってからかなり時間が立っていて、いまさら、くっつけることなんか出来ないよ、とういうことになります。

また、まれに早期発見できた場合も、治療についてはいろいろな意見があり、統一した治療法は確立していません。安静のみ、またはコルセット着用、ギプス固定や手術を提案する医師もいますが、賛否両論です。

個人的には、早期発見例にはコルセットを痛みがある間はつける、くらいが妥当と思いますが、スポーツ選手の場合は、なかなか、コルセットもつけてもらえません。

時間がたってみつかった場合も、腰の骨の不安定性が無ければ、治療を行うこともまれで、運動能力も問題が無い場合が多く、積極的な外科治療は行われないようです。

腰椎すべり症の場合は、すべりの程度が強い場合は、手術で固定する方法があります。おおむね、すべりの程度が25%以上だと、手術の適応になってきます。

参考文献
Tachdjian's Pediatric Orthopedics. Vol. 1, Third ed. Philadelphia,etc: WB Saunders Company, 2002:95-107.

解剖学アトラス第3版、文光堂、p20, 1986




無料メールマガジン「毎週3分早わかり!こどもの病気と整形外科」
無料メールマガジン配信スタンド「まぐまぐ!」から、メールマガジンを配信中です。
こどもの手足の健康、病気についての読者の皆様の疑問にお答えします。

登録はこちら :
Powered by
サイト内検索
This website is powered by Movable Type 3.17-ja Br@ve.