腰椎椎間板ヘルニア
Disk herniation
大人よりは少ないですが、こどもでも、腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)をみることがあります。
足に響くような痛みを同時に訴えることが多く、運動することで痛みが強くなる傾向があります。くしゃみや咳をすると痛みが強くなることもあります。
腰の痛みのため、歩き方がおかしくなることもあります。
背骨は節になっていて、椎骨(ついこつ)という骨で出来ています。クビには7個、胸には12個、腰には5個あります。
それぞれ、頚椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)といいます。
この、椎骨と椎骨の間には椎間板(ついかんばん)という軟骨が挟まっていますが、外傷や、繰り返すストレスなどで椎間板が一部後ろに飛び出すこととがあります。
医学用語で「飛び出している」ことを「ヘルニア」といいます。
背骨の後ろ側は管状になっていて、そのなかに脊髄(せきずい)神経があります。この、脊髄神経やそこから出ている神経を椎間板ヘルニアが圧迫することで、痛みやマヒのなどの神経症状が出ます。
こどもでは、大人よりもマヒなどの神経症状が少ないと言われています。また、おとなよりも、脊椎(せきつい:背骨の骨)の先天的な異常があることが多いようです。
先天異常がなければ、レントゲン検査で異常が見られることは少なく、診断のためにはMRI検査が用いられます。
MRIはCT検査のように、トンネルの中に入って検査しますが、CTとは違って、放射線被爆の心配がありません。ただ、20分程度は動かないでじっとしている必要があり、小さいこどもに行う場合は、薬で眠らせる場合もあります。
治療としては、まず安静、鎮痛剤処方などですが、症状が続く場合は、おとなと同じように、ヘルニアを手術で取り除くことが考えられます。
思春期の比較的年齢の高いこどもに手術することはありますが、一般的に手術まで至ることは少ないと思います。
思春期頃の運動選手の急な腰痛で、椎間板ヘルニアにみられるような、足に響くような痛みがなく、マヒ症状もない場合は、筋肉や靭帯(じんたい)の痛みと考えられます。いわゆるぎっくり腰の仲間です。
まず安静や運動制限、最初は冷やしたり、2〜3日してからは暖めたりして様子を見ます。鎮痛剤を処方する場合もあります。
痛みが引けば、運動を再開しても差し支えはありませんが、再発しないように、最初は軽めにしておくことが重要で、徐々に運動量を上げましょう。
通常は数週間で治りますが、症状が続くときや足に痛みが響くとき、マヒ症状があるときは、上記の椎間板ヘルニアやその他の病気のことがありますので、整形外科受診をお薦めします。
【参考文献】
Tachdjian's Pediatric Orthopedics. Vol. 1, Third ed. Philadelphia,etc: WB Saunders Company, 2002:95-107.
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