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偏平足(へんぺいそく)について

Flexible flatfoot, Pes planvalgus

幼児期に見られる問題のない偏平足を、幼児外反扁平足といいます。
小児整形外科領域の中で、もっともありふれたものと言えるでしょう。

幼児期には普通にみられ、学童期でも珍しくはありません。体重をかけていないときは正常の足の形(土踏まずがある)のですが、体重をかけると土踏まずがつぶれて、後ろから見ると踵の部分が「ハ」の字に見えることが特徴です。

幼児扁平足は徐々に発達するに伴い、土踏まずが形作られていくことがほとんどです。「背伸び」(つま先立ち)のときに土踏まずが作られるようなら、あまり心配しなくて大丈夫です。

8才くらいまでに正常となるようですが、個人差が大きく、成人でも扁平足の人はたくさんいます。

発達の遅れや、運動麻痺などの異常がないこどもでは特に治療の必要は無いと言われていますが、土踏まずの部分に痛みがあったり、疲れやすい場合は、靴を作ったり、靴の中に入れるインソール(中敷き)を入れて土踏まずを支えるようにすると症状が軽くなります。

病院で、特殊な装具を作ることもありますが、最近は結構市販の靴の機能も良くなってきました。

靴選びのポイントは、


1.踵の部分がしっかりしていて、つぶれないもの

2.土踏まずが柔らかく支えることが出来るもの
  (固いと痛い場合があります)
  
3.足の指の付け根の部分が十分に柔らかく、
  いわゆる「背伸び」の姿勢がしやすいもの


となります。基本的には、靴で矯正することは出来ません。歩きやすい、疲れない靴を準備することで、どんどん歩いてもらい、足の発達を促すことが重要です。はだし保育を行っている保育園もありますが、あまりこだわらなくてよいと思います。のびのび育てましょう。

まれに、アキレス腱が短縮していることで扁平足になるこどもがいますが、この場合は、適切なストレッチなどを行うことで症状が軽くなるようです。

成人での扁平足の有無は、運動能力と無関係である、との報告もあります。

程度がひどい場合や、大人になって痛みが強い場合は、手術治療を行うこともありますが、少なくとも慌てて手術するようなものではありません。

麻痺があったり、関節や骨、筋肉に病気がある場合は、特別な配慮が必要です。また、幼児扁平足は「柔らかい(flexible)」ことが特徴ですが、「固い」足の場合は「先天性垂直距骨(せんてんせいすいちょくきょこつ)」「足根骨癒合症(そくこんこつゆごうしょう)」などの足の病気の場合がありますので、見極めることが大切ですね。


参考文献
Tachdjian's Pediatric Orthopedics. Vol. 3, Third ed.Philadelphia, etc: WB Saunders Company, 2002:67-68, 908-921.



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