学会出張ってどいういうこと?
よく、医者が「学会出張で休診」とか、いいますね。
この場合の「学会」は「学術集会」といいます。
いろいろな研究や調査の発表の場です。
医学研究は、「論文」として形が残るものに価値があります。
学会発表は、論文にする前の段階として、とりあえず周りの評価を受ける目的で行われることが多いですが、アイデアを盗まれることもありますので、最近では、論文として準備した上で学会発表することも多くなってきたようです。
発表し、いろいろな質問を受けることが、研究の欠点を洗い出すことにもなります。そうやって、研究の質を高めつつ、研究のオリジナリティが自分にあることをアピールするのが、学会発表の目的と言えます。
「発表者」として参加する場合もあれば、たんに「聞くだけ」のこともあります。聞くだけ、といっても、他の人の発表に対して質問したり、討論に参加することもできます。
その分野の専門家に直接意見を尋ねることが出来る貴重な機会ですね。
小児整形などの、専門として診療している医者が少ない領域の場合、身近に相談できる人が少ないこともあり、学会での交流が楽しみだったりします。医者の世界でよくいわれる「学閥」は、小児整形外科医の間では比較的ゆるやかで、学界全体で家族的な雰囲気だなあ、と思います。
これは、国際学会でも感じることです。いろんな国の医者と治療についての意見を交わすのは楽しいことです。
注意:僕の場合は宴席での質問専門です(笑)。
専門にしている人が少ないため、「みんなで知恵を出し合おう」という雰囲気が強いです。この点は、僕が小児整形外科を気に入っている理由の一つでもあります。
会場が観光地に近ければ、「ついでに」観光することもあります。
なかなか、休暇が取れない病院が多いので、結構、楽しみだったりします。
学術集会を主催するのは、「学会」ですが、実際に運営するのは、各大学医学部の教授が持ち回りで行うことがほとんどです。(小児整形の場合は少し違いますが)
学術集会の「会長」は、その集会のとりまとめ役ですが、学会の重鎮たちにとっては、結構名誉なことのようです。引退する前に、一度は「学術集会の会長」をしてみたいようですね。
集会当日は、教授の弟子たち(当然医者)、製薬会社の皆さん、イベント業者の方など、いろいろな人の協力の下に運営されます。
結構大変で、下っ端としては、二度としたくないなあ、というのが本音です。
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